円安ですねー。



って呑気に話してる場合じゃない人もめっちゃ多いです。



「もう!円安でどうしうもない!」

なんて会話をクライアントさんとも毎日のようにしています。




あまり関係ない人にとってはピンとこないと思うんでざっくり説明します。



ちょうど去年の秋くらいは1ドルの円相場は110円くらい。

それが今は130円で、20%上がっています。



ユーロにしても去年は130円くらいだったのが137円だから、5%くらい上がってますね。



例えば、ある健康食品をアメリカの会社からドルで購入してるとします。

仕入れ価格が30ドル。


日本での販売価格は1万円。


日本では円で売上をして、引き出し時の為替レートでドルで売上現金を送金するなり引き出しているとします。


1ドル110円の場合は日本の売上をドルに変えてから、仕入れ代金を支払います。

つまり、1万で売上たものが、90ドルの現金になり、

そこから仕入れに30ドル使います。


その30ドルが、1万円でまた売れると、これが90ドルで現金になりますので、

手元には60ドル残ります。


1ドル130円に上ると、ドルで現金化するときには75ドルに減ります。

この75ドルから、30ドルで仕入れます。

これが1万円で売れると、75ドルのドルになりますので、30ドルを引くと残るのは45ドル。



15ドル減ります。実に25%。



月に1万ドルの利益があった人なら、2500ドル減るわけです。



これって、利益率が高いケースで話してますので大したことないように見えますが、

利益率が20%とか30%でやってるとしたら、実際破綻するくらいインパクトがあります。




当然、単に円でデザインや、コーチング、プログラムなどの受託サービスをしている場合も、

手取りが20%近く目減りしますのでギリギリな収益で生活している人の場合はゆゆしき問題。




幸いうちのクライアントさんは利益率が低いビジネスをしていませんし、

これまでの歴史で為替のリスクをどうとるかって工夫がしてあります。



だからこそ、「円安困った!」ってのも愚痴のレベルかもしれません。



とはいえ最近の円安は「何かしなきゃ」って思うほどには変化が激しいです。



ってことで今日は円安にどうするか?ってことこを現実的な線でお話しいたいと思います。



まず大事なことを1つ。



為替の動きを予想できると絶対に思うなってことです。



「ランダムウォーク理論」っていうのですが、為替の動きは予測不可能って意味です。

さすがに1ドル200円とかには、直接の戦争にでもならない限りならないだろうってことくらいは想像できますが

どんな識者が予想していてもそれは「その人の感想」でしかありません。

「僕にはわかる」と断言する人は嘘つきか、あまり物事を深く考えないだけの人です。




そうなると基本的な戦略は、予想して動くのではなくて、そうなったときに動くってことが基本方針になります。


要するに為替なんて全部対処療法なんですよね。

そうであることを理解していれば、それほどイライラしないし、焦って火傷しないのではないかと思うんです。




そんな中でうちのクライアントさんがよくやって手法をいくつか説明しますね。




■価格を上げる


なんかアホみたいなアドバイスがこれ。

為替のせいで利益が減るなら、もらうお金そのものを増やそうよって対処療法です。



でも根拠もあるんですよ。



たいていのスモールビジネスの起業家は弱気。

価格設定がそもそも低いことが圧倒的に多いんです。



なので本人は価格を思い切って上げる決断かもしれないけど、

適正価格にする程度のインパクトであることがほとんどです。



これまで根拠もないのにビビって値上げできていなかったものを、上げるきっかけにすればいいのじゃないかなと。




もしそうでないとしても、為替の場合他の会社も条件は同じなので

値上げ傾向になってるはずなんですよね。



かといって、いきなり20%アップとかはビビると思います。


いいアイデアはちょっとずつ上げる方法。



毎週とか毎月2%づつあげていくとかって方法がオススメです。



これ僕のクライアントさんもよく使ってもらいますし、

僕も自社のスーツ販売で使いますが、問題は出ていません。



もちろん2%づつあげていけば、10回目には20%になるわけで、ユーザにとってもインパクトでます。

でも購買率が鈍化したとわかった瞬間に元に戻しても、それも2%なんですよね。



結果として火傷なしに限界まで値上げできることになります。




これなら、ある程度歴史的に起こった為替変動くらいなら吸収できるんじゃないかなと。




■我慢するか、もっと売る。



当たり前ですが、利益額は数多く売れば増えます。

薄利多売は僕らが一番取るべき戦略ではありませんが、

そもそも販売数が圧倒的に少ないまま延命しているビジネスも実際あると思うんですよね。



つまり、当たり前にやるべきマーケティングをせず惰性で集客できていることに甘んじてる場合です。


この場合は、為替の差というより、おおきくすることをサボってることが露呈したと思うほうが建設的じゃないかなと。



さらにですが、為替はランダムウォーク。いつ戻るかもわかりません。

しかも今は西洋諸国が気にするところで戦争紛争が起こっていたりしますので、一時的であることだって十分考えられます。



てことは、ちょっと焦らずどっしり構えるってのも大事なスキルかなかと思います。







■外貨で販売するビジネスをやる



とはいえ、ニッチもサッチもいかない場合もあります。

その場合は日本円を通さないビジネスをするって選択を考えると思うんです。



つまり、米国に売るとか、自国の人に商品やサービスを売るってことです。



昔から為替対策の常套手段ですから、めっちゃ妥当な方法。



クライアントさんっでも、日本国内で海外商品を手広く転売している人は、

同じ分量だけ米国への転売も行なってます。


この割合を為替の状況によってスイッチしてきたんですね。



円安なら米国向けの事業を拡大して、円高ならその逆。

平常なら均等に。



決してどっちかに寄せたりしません。


為替は何があるかわからないから、そうなったときに対処できるようにってことを徹底されているわけです。


ちなみに・・・僕の会社のコンサル事業も外貨でいただくケースと、日本円のケースを混在させているので、

結果としてそれほどインパクトを受けません。




とはいえ、これは最初から準備しておいて2つのビジネスを同じ質と量で行うことが前提です。



つまり、「円安だからとりあえず。」みたいな感覚では難しいのじゃないかと。




なぜなら日本以外の国へ、物やサービスを売るのは、日本に売るよりも相対的に難易度が高いからです。


難易度が高いってことは、顧客獲得コストが高いってことです。

顧客獲得コストが高いってことは利益率が低いか、時間が結構かかるか、よほど上手にやらないと黒字にもならないってことを意味します。



理由はいろいろあるんですが、

まず日本のものを売ろうとする人が多いのだけど、それほど日本のものは人気がないか認知されてないので

売れるまでに時間がかかることが挙げられます。


かといって自国のものを自国に売る場合は外国人がトレンドを掴みづらいってのもあります。


さらに米国ではマーケティングのメソッドは10年進んでますので、素人だと戦えないこともよくあります。




最近成功例でよく出てくるTokyoTreatさんみたいに、「日本のおかしの詰め合わせBoxのサブスク販売」のような成功例はありますが、

それにしても軌道にのせるのに資金は使っているでしょうし、日本のものですんなり売れるものってそんなにたくさんありません。




僕が日本の何か良いものを売ろうとして力尽きたケースを僕が見すぎたからかもしれませんが、

日本のものなら、僕のクライアントさんのように「転売」「個人輸出」と割り切るほうがよほど利益が出る場合もあります。

(とはいえカテゴリを一切絞らず、全商品でリサーチして売れるものを売るので時間は結構使いますが。)




そうじゃないならあえて「物」じゃないものを売るほうが楽な場合もありますね。

ネイル、マッサージ、サロンなどの施術サービスかもしれませんし、

寿司や日本語のレッスンかもしれません。





何が言いたかとうと、外貨を稼ぐビジネスもしておくのが最大のリスクヘッジなのは間違いなのだけど、

とりあえずじゃむりでがっつり没頭してやらないとダメよって話をしているわけです。







■日本円で販売する別のビジネスをやる




と、ここまで話したら「日本に売れるもので、もっと高く売れるものをやるほうが楽じゃね?」

こういう結論になる人もいませんかね?



僕のクライアンとさんはこういう結論に行き着く人も結構多いです。



円安で困ってるのは日本がって話じゃなくて、

そもそも儲かりにくいものをやってしまってる。ってアプローチですね。



なんやかんやいって、グローバルに見れば日本人がビジネスをするのに日本のマーケットは一番簡単です。


そこで儲かることをできてないのは為替とか日本人の経済力とかは関係なくて、

自分の力不足ってことも多いにありえるんですよね。




それにすこしでも思い至る場合は、今のビジネスを値上げする。もっと売る。他の儲かるビジネスをもう1個やる。

って選択も合理的じゃないかと思います。






いかがでしょうか?



もちろんケースによって対処は変わるんで、他にもたくさんありますが、

動きを決めるヒントになればよかったです。



とにかくね。焦るな。ってことです。はい。






ーー動画だと、もっと詳細に語っていますので、

もっと理解したい人は、そっちもご覧ください。







【雑談】YouTuberの東京ドームライブに行ってきた。



「子供がおおきくなると、親はATMとUberよ。」


成人したお子様を持つ仲良しのクライアントさんがこう言ってました。



娘は中学生なのですが、そろそろそんな兆しです。




先日彼女が大好きなYouTuberが東京ドームでライブをやったんです。

その送迎に行ってきました。


(ま終わるのが夜遅いってのもあって実際危ないんですけどね)





僕はチケットを取ってませんが、一緒に入るのはもちろん、

外で売ってるグッズ販売とかそういうのに付き添うのもダメなんだそうです。



つまり運転手とグッズ代の支払いだけ。



でも普段めっちゃ頑張ってるのと、この日を半年前から楽しみにしてたのを知ってるので

その人はよろこんで運転手として過ごしました。



と、まーそれはいいのですが、このライブなんと4万人以上入ってるんですよ。

小学生と中学生のお嬢さんに大人気ユニットなので(グループなんです)

ドームの周りは小学生と中学生がうじゃーーーっと。



こりゃ犯罪起こりそうだから、きてよかったとか思ってたんですが、

他の親も同じらしくてですね。



ドームの周りに小中学生が4万人。



グッズ販売は長蛇の列で4時間待ち!。





その周りにその保護者の群れ。

だいたいは運転手したであろうおじさんが所在なさげに4万人はただずんでました。





ちょっとしたカオスでした。




ていうか、YouTuberが4万人を満員にする時代なんだなとおもうと、

エンタメって本当に多様化しましたよね。



世界中の女性が熱狂しているように見えるBTSとか、

ジャニーズとかはその子たちは興味がないそうです。



学校でも自分の推しと同じ推しの同級生を見つけることもまれなんだそうです。




ほんと多様化しましたよね。

いいことだと思いますが。




そして若い子で影響力をもち、ビジネス的にも成功している人て

エンタメ率が高いと思うんですよね。



多様化とネットの力でこれからの「生活の糧を稼ぐ手段」ってエンタメによっていくのかなーとか

ドームの周りで娘を待ちながら考えてました。



ネットフリックスも、漫画も、アニメも、ゲーム実況もエンタメ。

流行りのNFTゲームで金儲けるやつもエンタメです。



まじめに稼ぐ時代じゃなくなっていくんですかね。



しらんけど(笑)




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